竹内由紀子ゼミ■食文化研究室
いもフライを全国に広めたい!
栃木県の隠れソース文化

「いもフライ」をご存じだろうか?栃木県佐野市のご当地グルメで、県内ではスーパーのお総菜コーナーに並んでいるほど馴染み深い食べ物である。しかし、栃木県を離れると「いもフライ」の知名度はぐっと低くなる。そこで、まだ「いもフライ」を知らない人に向けて魅力を発信するべく、佐野市で調査を行い、その歴史や店によって異なる特徴を調べることにした。また「いもフライ」を調べるうちに、栃木県にはソースの文化が根付いていることに気づき、その背景も調査することにした。本研究を通して、「いもフライ」と栃木県のソース文化を知ってもらい、足を運んでもらうきっかけにしたい。
駄菓子の変遷、駄菓子の現在

私は駄菓子に興味を持ち、駄菓子屋でアルバイトを始めた。その経験を通じて、駄菓子の面白さや可能性に気付き、駄菓子を研究対象に決めた。昔は駄菓子屋が子どもたちにとって特別な場所だったが、今ではショッピングモールやデパートで買うことが一般的になっている。この変化は、ライフスタイルや経済的な要因の影響が大きいと考えられる。そこで私は、駄菓子の歴史を調べ、伝統的な駄菓子文化がどのように現代に引き継がれ、変化しているかを探求している。今後は、駄菓子文化に対してどのような生活スタイルの変化が具体的に影響しているかを追究し、駄菓子の魅力を多くの人に伝えたい。
コーヒーと食品のフードペアリングを追究する

コーヒーを飲む際に、「今日はこの豆にしよう」「浅煎りじゃなくて深煎りにしよう」等、飲みたいコーヒーの種類が、時間や季節、その時々によって変化した経験はないだろうか。そういった経験が無い人でも、「あのお店のコーヒーよりもこのお店のコーヒーの方が好きだ」「このお菓子と合わせるとおいしい」等、コーヒー自体についてやコーヒーと飲食物とのペアリングについて感じたことがあるのではないか。どうしてそのコーヒーをその時間に飲みたいと思ったのか、またその食べ物と合わせようと思ったのか、コーヒー専門家の見解や自分自身が味わっての経験認識をもとに追究している。
台湾の駅弁文化
駅弁で台湾一周の旅

皆さんは、台湾に駅弁文化が定着していることをご存知だろうか。日本が1895年~1945年の50年間にわたり台湾を植民地支配した「日本統治時代」には、日本の制度を手本にして多くの生活?産業インフラが整えられ、近代化がすすめられた。この時代の置き土産の1つが「駅弁」である。本研究は、台湾で駅弁文化がどのように発展し定着したのか、日本の駅弁文化と対比しながらその歴史を紐解く。文献調査やイベントへの参加、台湾でのフィールドワークを通して、現在台湾では駅弁がどのように楽しまれているのか、現地の人々にとって駅弁とはどのような存在であるかを考察する。
なぜレトロ喫茶に惹かれるのか

私は喫茶店を利用する際、どこに行くかをSNSで調べるが、無意識のうちにレトロな雰囲気の喫茶店を選択することが多いと気づいた。自分は何に惹かれているのか。そうした喫茶店は初めて行っても実際に居心地がいい。その要因を研究テーマとした。「レトロ」という言葉は「過去に遡っての、回顧の」を意味する「レトロスペクティブ」の略であり、若者たちは安心感があるものに魅力を感じていると指摘されていることがわかった。このことから提供される飲食物だけではなく独特の雰囲気からも居心地のよさを感じているのではと考察した。中間発表では「照明」に着目して喫茶店の比較検討をしたい。
日本における中国料理店の展開
横浜中華街を中心に

専門学校への学園内留学で、中国料理の世界に魅力を感じた。以前は、派手に中華鍋を振る大雑把な料理と誤解していたが、専門学校で学んだ中国料理は、丁寧に下処理を行ない、繊細な包丁技術を要する料理であった。そこで、日本において中国料理店がどのように展開したのか追究することを研究テーマとした。実地調査することを考慮し、足を運びやすい横浜中華街を中心に研究を進めている。横浜中華街は、日本最大の中華街であり、中国料理店は約200店を数え、中国四大料理や様々なバリエーションある料理店が展開している。現在は、横浜中華街の店舗の移り変わりについて調査を行なっている。
奇食といわれる「おどり食い」
生き物を生きたまま食べるのはかわいそう?

日本にはおどり食いという生き物を生きたまま食べる文化がある。しかし、このような文化を持たない国からしたらどうだろうか。北海道函館にある飲食店が提供する「活いか踊り丼」を食べる様子を外国人観光客が動画サイトに投稿したところ、「人道的ではない」「残酷だ」と批判が相次いだ。私はこの記事を読み、なぜこのように感じるのか興味を持った。生き物を生きたまま食べることは本当にかわいそうなのか。本研究では、おどり食いを起点に、「かわいそう」「残酷だ」と思うことについて考察する。中間発表では、おどり食いの種類や、文化の相違などについて報告する。
日本における薬膳料理

近年飲食店で薬膳のメニューを目にすることが増えたように感じる。女性を中心に人気を得ている薬膳料理は美容効果があるとされ話題に上がる一方で、日本人にとって薬膳は一つのジャンルといった位置付けで、日常の食生活に浸透していないと感じる。そこで、私自身が薬膳に関する知識を深めるとともに、薬膳料理の需要や現代日本人が薬膳をどのように位置づけているのかを探求する。 現在はこれまで調べてきた中国における薬膳の歴史と日本国内の薬膳料理の実態をもとに、特に薬膳の持つ美容効果に焦点を当て調べている。 今後は、薬膳料理と美容の関係性についてより理解を深め、可能性を探りたい。
おふくろの味ってどんな味?

「おふくろの味」と聞いてあなたはどんな味を想像しますか。同じ料理でも、自炊時と、帰省時に母が作ってくれたものを食べるのとでは、同じレシピのはずなのに「味が違う」と感じた経験から、「おふくろの味」とは、自分にとって、また人々にとってどのような味なのかという問いをテーマにしました。先行研究の購読、身近な人へのインタビューによって、おふくろの味とは料理そのものというよりも、「誰とどのような状況で食べたのか」といった個人の経験と深く関係していることが分かりました。今後は、食の外部化が進む現代社会において、おふくろの味の変化などについて検討します。
お土産の文化とその変遷

お土産を買うという行為は、旅行の楽しみの一つである。国内旅行が趣味の私は、今まで何気なくお土産を買っていた。しかし、なぜこんなにも種類豊富で充実しているのか、そもそもの起源は何なのかと興味を持つようになり、研究テーマとした。お土産というと、旅先で購入するもの、他人の家を訪問する際に持っていく手土産などがあるが、今回の研究では旅先で購入するものに焦点を当てて進めていく。お土産を買うことに対し「面倒くさい」と感じる人もいるようで、世間はお土産にどのようなイメージを抱いているのか、歴史的変遷、地域によって選ばれる商品の違いなどを調べて、お土産を深掘りしたい。
フードフェスの展開

食イベントに参加したことはありますか?現在、各地で食イベントが開催されています。私自身それを目にするたび、強く惹きつけられます。こうしたイベントが始まったきっかけや目的は何か、また、企画が立ち上がってから開催に至るまでの流れはどうなっているのか、などを知りたいと感じました。これらフードフェスの実態を調査し、今後のあり方を考察します。今回は、食イベントにはどのようなものがあるか、「フードフェス」という言葉がいつ頃から使用されるようになったのか、などを報告します。今後は、開催企業の取り組みについて調査し、自らフードフェスに足を運びながら実態に迫っていきます。
後世に伝えたい郷土食

私たちの食生活は、社会情勢の変化やライフスタイルの多様化、食のグローバル化など様々な影響を受けて大きく変化してきた。現代人は、仕事や子育てを行いながら多くの作業をこなさなければならないため、時間対効果が重視され、食事の準備や調理に手間のかかる郷土食は、年々衰退しているのが現状だといえよう。本研究では、私の祖母が生まれ育った埼玉県宮代町を軸に、その周辺地域である東部地域の郷土食や農家の食事について探求し、それらの郷土食が食べられるようになった経緯やその地域ならではの食材や特産品との関わりなど、多角的に調査を行うことで郷土食の魅力について探求していく。
食材としてのザリガニ

私の母は幼少期にザリガニを食べた経験があるという。私はザリガニを食べる文化があることは知識として知っていたが、遠いどこかの国の話だと考えていた。しかし、こんなに身近にザリガニを食べた経験のある人がいることに驚き、食材としてのザリガニに興味が湧いた。海外では食材として多くの地域で利用されているが、日本では食材として馴染みがない。現在は、ザリガニがどのように食べられているのか、ザリガニを利用した料理やイベントについて探求を進めている。今後は、ザリガニを提供している飲食店や、ザリガニを扱っているイベントへの参加をし、食材としてのザリガニを探求していく。
トルコの食文化

私は幼少期にトルコ共和国に滞在していました。この経験を踏まえてトルコの食文化について研究しています。トルコ料理は世界三大料理の一つとされ、オスマン帝国時代に多様な文化を受け入れて発展してきました。地域ごとに特色があり、エーゲ海地方ではオリーブオイル料理、東アナトリア地方ではスパイスを使った肉料理が中心です。イスラム教の影響も強く、食材や調理法に宗教的な要素が見られます。ユネスコ無形文化遺産には、伝統料理のケシケキ、トルコ紅茶文化、トルココーヒー、イフタールの伝統が登録されており、これらを通じて文化の多様性を学ぶ意義は大きいと感じています。
薬味の変遷と地域性

そばやおでんを食べる時、何の薬味を使いますか?以前テレビを見ていて、冷奴の薬味にからしを使う地域があることを知り、薬味の地域性に興味を持ちました。また、薬味がいつごろから使われ始めたのかや、現在の薬味の形が成り立つまでの歴史についても追究したいと考えました。私は、薬味は日本の食文化を特徴づける重要な要素のひとつであると考えています。薬味の歴史を紐解き、時代によって変化していく薬味の役割を理解することで、日本人の食へのこだわりや価値観について考察します。中間発表では、薬味がいつごろから存在し、どのような効果を期待していたのか報告します。
知育菓子の魅力に迫る

私は小学生の頃、「ねるねるねるね」や「おえかきグミランド」など遊び感覚で作れる知育菓子にとても興味を持っていた。そこで、幼い頃の私が何故、これら知育菓子に魅了されていたのか探求したいと思い、知育菓子を研究テーマに取り上げることにした。経過報告会では、知育菓子の定義や歴史、商品のバリエーションを確認した。現在は、知育菓子を製造している株式会社クラシエフーズが公表しているアンケート結果などを整理している。今後は、株式会社クラシエフーズの取り組みや海外展開、他社の類似商品、知育菓子に対する日本と海外の意識の違いについても追究していきたい。