平野覚堂ゼミ■ビジュアル?コミュニケーション研究室
イメージカラーケーキ
─色に捕らわれない表現方法─

桜餅の桜色、ショートケーキの白、メロンパンの緑。恐らく多くの人が同じ色を思い浮かべると思います。それらが、青、紫、黒…など全くイメージと違う色で表現されていたとしたら、違和感を感じず、すんなり受け入れることができるでしょうか。現在、洋菓子はいろんな色で表現されています。しかし、自分の表現したいモチーフや好み関係なく、使用出来る色に制限がかかる状況になったとき、どれだけ色に捕らわれない表現ができるのか。それを研究するため、今回あるモチーフを、一般的なイメージとは違う色を使いケーキで表現しました。皆さんは、私と同じものを思い浮かべることができるでしょうか。
見える世界と見つけるもの
─「ケーキをモチーフとしたカード作り」を通して─

「食文化らしさ」が自分にはあるとか、ないとか。「食文化らしい」ことができるとか、できないとか。食文化栄養学科の学生がおそらく一度は直面するであろう、そんな悩みを起点に、私は「ケーキをモチーフとしたカード作り」をはじめた。一見すると、テーマを決定する前段階とも言えるようなモヤモヤは、1年もの作品制作を継続させ、6分間の発表を可能にするほどの、大きな「わからなさ」へと、力を与えるものに変化していった。しかし、それは原動力であって、モヤモヤ→制作→言語化のサイクルの中での、見える世界や見つけるものに、意味があるのではないか。作品制作の変容を交えて発表する。
12か月の雨のコース料理

「雨」は傘をささなければならないことや雨水に濡れることにより、ネガティブな印象を受ける人が多いのではないだろうか。雨は降る季節や降水量によってそれぞれ名前がついているが、その意味や内容のほとんどはあまり知られていないだろう。そんな雨を料理で表現することで、「雨」を再発見し理解?解釈を深め、ネガティブな印象で語られがちな雨に明るい印象を見出し与えられるようにしたい。雨を表す日本語は400種類以上と豊富にあるため、12か月それぞれに降る雨を選択し、意味や内容を含めて表現した12品のコース料理を制作していく。中間発表では、3月~5月の3品を発表する。
食とつながりの空間づくり
─新しい女子栄養大学のキャンパスデザインの立案─

私は女子栄養大学での学生生活を通じて、校舎や設備に対して「もっとこうだったらいいな」と感じた場面が多々ある。例を挙げると、カフェテリアまでの導線が悪いことや、休み時間中の食へのアクセスが少ないこと、学校から農園まで徒歩十分かかるため通うのが大変など。このような、学校で過ごしていくうえで直面する問題を解決するため、校舎の一部の設計を改良し、より過ごしやすく快適なキャンパスデザインを立案する。周囲の自然と調和し、学生たちがリラックス?集中?交流できる設計を重視することで、「食」「人とのつながり」を体感しながら深められる唯一無二の空間を目指す。
ノーションケーキ
─キャラクターを使わないキャラクターケーキ─

私たちは日々様々な分野で、新たなデザインスタイルや表現の技術の進化を目にしている。例えば、SNSの普及に伴い推し活文化が発展し、グッズだけでなくコラボフードやキャラクターを祝うケーキなどの写真を投稿し、楽しむ人が増えた。よく見受けられるのは、パキッとした原色のケーキやクリームのみでデザインされたセンイルケーキ、人物をそのまま載せる写真ケーキなど。そこで、私はもっとモチーフを生かした食欲を掻き立てられるような、ケーキらしさも残した作品を作れるのではないかと考えた。キャラクターや原色を使用しない、新たなスタイルとしてノーションケーキを楽しんでいただきたい。
まるでシェフ気分!ままごとキッチン!

多くの人が「ままごと」遊びをしたことがあるでしょう。現代ではプラスチックや木などでできたままごとの専用の玩具も普及しています。しかし、ままごとは、身近にある木や花や石など特別な道具がなくても、想像力を膨らませて遊ぶことのできる子供の代表的な模倣遊びです。本研究では、性別に関係なく楽しめるジェンダーニュートラルなデザインとし、「まるでシェフ気分!」になれるような要素を盛り込み、自由な発想を引き出す新しいままごとを提案します。本研究を通じて、子供たちが遊びながら想像力を発揮する楽しさを味わうとともに、食への興味や理解が深まることを期待しています。
究極のあんバターができるまで

あんバターはシンプルでありながら背徳感が味わえ、ご褒美感もあり同時に日常感もあるたくさんの場面に溶け込めるそんな料理だ。近年あんバターを使用した商品を扱うお店が増え、ちょっとしたブームが起きた。私はあんバターが大好きで今までたくさん食べ歩いてきて結局どの素材の組み合わせが相性が1番良いのか気になった。そこで究極のあんバターをつくってみようと思った。あんこ、バター、パンの3つの様々な種類を食べ比べ良い組み合わせを見つけていく。その過程で素材本来が持つポテンシャルの凄さを感じ、改めて食を楽しむとはなにか、食というものの可能性について考えていきたい。
不完全なパフェ
─行為で完成する新たなパフェの提案─

美しく完成されたパフェ。だが、あえて“不完全”な状態から食べ手自ら完成させるとしたら。古くから親しまれてきたパフェは、層ごとの味や食感の変化を楽しむスイーツとして知られている。しかし、パフェは異なる素材で構成されながらも、計算された美味しさの調和を持つスイーツでもある。本研究では、「層をそのまま楽しむ」という従来のスタイルに新たなアプローチを加え、食べる人が主体的に関わることで唯一無二の完成形を作り上げる体験型スイーツを制作する。不完全なパフェに行為を加えて完成させることで、パフェは単なるデザートではなく、創造的な体験へと進化する。
ロスパン革命を起こそう!
─食品ロス削減への取り組み─

私は今回、アルバイト先である「TruffleBAKERY」の協力を得て、ロスパンをなくす取り組みを考え、実際に店舗で実践していていった。この研究を始めたきっかけは、ラストのシフトで入っていた際、持ち帰りきれず廃棄してしまうパンたちを見て、すごくもどかしい思いになり、「このパンたちを捨てない工夫が何かできないだろうか?」と考え始めたことである。方法としては、人気No.1の白トリュフの塩パンを2個以上の購入につき無料で特典をつける方法や新しくポップを設置する方法などいくつかある。この実践を通して、まずは自分の身の周りから食品ロスを減らす取り組みをしていこうと考えている。
あみあみ菜園のせいちょうにっき
─疑似農園体験を通じた親子での食農教育の方法提案─

親子と一緒に育つあみぐるみ。食育の多くは子どもたちがターゲットとなり、親及び大人たちは子どもたちの学びを支え、推進するための働きをすることが多い。しかし私は、「食の大切さ」を忘れがちである大人たちこそ、本質的に食育を必要としているのではないかと考える。そこで私は、親子で食農教育ができる疑似家庭菜園キットを提案する。農体験への高いハードルを下げるために、あみぐるみを用いてキットを作成する。このキットを通じて子どもへの食育はもちろん、親や大人が?食の大切さ?を思い出し、心身ともに健全な食生活を送るための学びのきっかけ作りをしたい。